アカンバロ恐竜土偶から時間の外へ

古代文明・オーパーツ

No.16

恐竜と人類が 同じ時代に生きていた証拠が 見つかった
そんな話が 語られることがある

メキシコの アカンバロ ブルマウンテン
そこで発見された
恐竜のような姿をした 数多くの土器
これらは ときに
太古の遺物として語られる

だが 太古とは
いつのことなのだろうか
太古という一つの言葉で
まとめてしまうには
時間はあまりにも長すぎる

遺跡の時代は 数千年前
原始時代は 数万年前
人類が現れたのは 数百万年前
恐竜が生きていたのは 数千万年以上前
生命が誕生したのは 数十億年前
地球が生まれたのは 約46億年前

太古 という言葉は そのすべてを 一つにしてしまう

補足資料
アカンバロ恐竜土偶とは、20世紀半ばにメキシコ中部グアナフアト州アカンバロ近郊で発見されたとされる多数の土製品群を指す呼称である。これらは人型、動物型、抽象的形状など多様な意匠を含み、その中に恐竜を想起させる形態の造形が含まれている点から注目を集めてきた。

発見は1944年頃、現地在住のドイツ系商人ヴァルデマール・ユルスルートによって報告されたとされている。彼は農民からの持ち込みや自らの収集によって、最終的に3万点以上の土器や土偶を集めたとされる記録がある。出土地点として語られるのは「ブルマウンテン」と呼ばれる丘陵地帯で、複数の浅い埋没状態で見つかったと説明されている。

これらの土偶の年代については、当初から議論が存在した。一部では先コロンブス期の遺物であると主張され、放射性炭素年代測定や熱ルミネッセンス法による分析結果が引用された例もある。一方で、測定条件や試料選定の妥当性に疑問が呈され、結果の解釈をめぐって見解が分かれてきた。

主流の考古学的立場では、これらの土偶は近代以降に制作された可能性が高いとされている。その理由として、出土状況の記録が不十分である点、既知のメソアメリカ文明の様式と一致しない点、恐竜表現が近代的復元像に近いと指摘されてきた経緯がある。また、ユルスルートが買い取り方式で収集したことから、意図的に制作された可能性が議論されてきた。

一方で、これらの土偶は「恐竜と人類が同時代に存在していた証拠」として紹介されることがあり、主にオーパーツや反主流的歴史観を扱う文脈で言及されてきた。その際、「太古の遺物」という表現が用いられることが多いが、この語は具体的な年代幅を示さず、多様な時間層を一括する概念として機能してきた。

人類史・生命史・地球史においては、数千年、数万年、数百万年、数千万年、数十億年といった異なる時間尺度が存在する。アカンバロ恐竜土偶をめぐる議論は、単一の遺物の真偽を超えて、「太古」という言葉がどの時間帯を指して用いられているのか、その曖昧さ自体が問題化されてきた事例として整理されることがある。

断片 (リンク)

[Waldemar Julsrud Museum – Acámbaro Figures] (1944年発見参照) – Atlas Obscura(博物館展示と発見経緯の写真・概要)
[Creatures of Other Mould – Museum Visit] (2010) – The Believer Magazine(内部写真と収集プロセスの記録)

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