地震兵器禁止条約

宗教・政治

No.04

地震兵器禁止条約…と言う名の条約は存在しないが
地震・津波・気象などを人工的に操作して
軍事利用することを禁止している国際条約がある
これが実質的に「地震兵器」の使用を禁じる国際的な枠組みである

環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約
Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Technique (ENMOD)

国連総会で採択され
1978年10月5日に発効した環境保全と軍縮に関する条約だ
この条約では津波、地震、台風の進路変更等を
人工的に引き起こして軍事的に利用することを禁止しているのだが…
罰則規定は無い

署名48カ国
批准78カ国
日本は1982年6月に加入している

補足資料
いわゆる「地震兵器禁止条約」と呼ばれる名称の国際条約は存在しないが、地震、津波、気象現象などの自然環境を人為的に改変し、それを軍事目的や敵対的行為に用いることを禁止する国際的枠組みは実在する。その代表例が、環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約である。

この条約は正式には「Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques」とされ、一般にENMOD条約と略称されている。1976年にUnited Nations General Assemblyで採択され、1978年10月5日に発効した。冷戦期における軍拡競争と、新たな技術による戦争形態への懸念を背景として成立した条約と位置付けられている。

ENMOD条約でいう「環境改変技術」とは、自然の力学や構造を意図的に操作し、地球の生物圏、岩石圏、水圏、大気圏、あるいは宇宙空間に影響を及ぼす技術を指すと定義されている。条文では具体例として、地震、津波、地滑り、火山活動、洪水、台風などの気象現象の変化が挙げられており、これらを軍事的または敵対的目的で使用することを禁止している。

この条約は、環境保全と軍縮を同時に扱う点に特徴がある。核兵器や化学兵器の禁止条約とは異なり、特定の兵器体系を明示的に列挙するのではなく、「広範、長期又は重大な影響」をもたらす環境改変行為そのものを問題とする構造を持つ。そのため、理論上は地震や津波を引き起こす技術が存在した場合、それを兵器として用いることは条約違反に該当すると解釈されている。

一方で、ENMOD条約には具体的な制裁や罰則規定は設けられていない。違反が疑われる場合には、締約国間の協議や国連安全保障理事会への付託が想定されているが、強制的な執行手段は明文化されていない。この点については、実効性の限界を指摘する見解も存在する。

また、条約は軍事的・敵対的使用を禁止するものであり、気象操作や地質調査などの平和的研究や民生利用そのものを一律に禁止しているわけではない。そのため、科学研究や災害軽減を目的とした技術開発との線引きが曖昧であるという指摘もなされてきた。

ENMOD条約は発効から数十年が経過した現在も有効であり、地震兵器や気象兵器といった概念が語られる際に、国際法上の根拠として参照され続けている。一方で、その解釈や実効性をめぐる議論はその後も行われている。

断片(リンク)

[Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques (ENMOD)] (1976採択、1977発効) – United Nations Treaty Collection(条約本文・批准状況)
[Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques] (1976採択、1977発効) – U.S. Department of State Archive(定義・禁止規定の詳細)
[Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques] (1976採択、1977発効) – United Nations Office for Disarmament Affairs(軍縮局公式概要)
[From ENMOD to geoengineering: the environment as a weapon of war] (2020) – Conflict and Environment Observatory(成立背景と限界の分析)
[ENMOD: Dead Letter or Environmental Lifeline?] (2025) – Lieber Institute, West Point(解釈史と現代的議論)

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