フィラデルフィア実験|検証された記録

陰謀論・都市伝説

No.31

1943年10月
米海軍はフィラデルフィア沖で秘密実験レインボー計画を行ったと語られる
目的は駆逐艦エルドリッチの不可視化
テスラコイルの強力な電磁装置により
艦は緑色の霧に包まれ瞬間移動したという

発端は一冊の著作だった
実在の艦名と、実在の研究計画
そこに想像力が重ねられ物語は形を持った

本は広まり海軍に問い合わせが届く
そのような実験は存在したのか
担当部署は内部資料を確認した
該当艦の航海日誌
寄港記録
乗組員の配置履歴
研究部署の設立年
記録を照合する
艦はその日、通常任務で航海していた
瞬間移動の記録はない
残っていたのは、日付と任務内容だった
担当官は確認結果を報告書にしたためた

物語は広がる
記録は残る
検証は、その上で行われる

補足資料
フィラデルフィア実験とは、1943年10月に米国海軍がフィラデルフィア沖で駆逐艦エルドリッチ(USS Eldridge, DE-173)を用い、電磁装置により艦船を不可視化し瞬間移動させたとする主張を指す通称である。「レインボー計画」との名称も流布しているが、公式計画名としての確認はされていないとされる。

発端は1950年代に流通した書簡および関連著作であるとされ、実在艦艇名や戦時中の研究開発計画が言及されたことにより具体性を帯びた。これに対し、米海軍には問い合わせが寄せられ、関係部署が内部記録を照合したとされている。

米海軍は第二次世界大戦期から現在に至るまで、艦艇ごとの航海日誌(Deck Log)、行動報告書、寄港記録、乗組員名簿、補給記録、作戦命令書などを体系的に保存している。これらの多くは国立公文書館(National Archives and Records Administration)や海軍歴史遺産司令部(Naval History and Heritage Command)を通じて閲覧可能とされる。日誌は原則として日単位で記載され、位置、天候、任務内容、異常事象の有無などが記録される形式をとっている。

エルドリッチに関して公開されている航海日誌および艦歴資料の照合では、1943年10月当該期間において同艦が通常の護衛任務に従事していたとする記録が確認されている。フィラデルフィア停泊や特殊実験実施を示す記述は見当たらないと報告されてきた。また、乗組員の配置履歴や転属記録も保存されており、当該日に大規模な人員喪失や医療記録が発生した形跡は確認されていないとされる。

さらに、研究部署の設立年や担当分野に関する公的資料も参照対象となった。戦時中に実在したのは、艦船の磁気を低減する消磁(デガウジング)技術やレーダー関連研究であり、艦体を物理的に消失させる実験計画の存在は公式文書上確認されていないとされる。

米海軍の記録管理体制は、作戦行動の検証、軍法会議、戦後補償、歴史研究など複数の目的に基づき整備されてきた。艦艇単位での詳細な時系列資料が残されていることにより、特定日付の所在や任務内容を後年に再確認することが可能となっている。このような膨大な一次資料の存在が、本件に関しても航海経路や任務内容の再検証を行う基盤となったと位置づけられている。

本件は、実在の軍事記録と戦後に形成された物語が交錯した事例として扱われてきた。公式資料、公開アーカイブ、関係者証言の照合という手続きが行われた経緯が記録されている。

断片 (リンク)
[Philadelphia Experiment] (1943/2017) – Naval History and Heritage Command(NHHC公式ページ。事件の成立過程を概説)
[Philadelphia Experiment: ONR Information Sheet] (1996) – Office of Naval Research via NHHC(ONRが1996年9月8日に作成した公式情報シート)
In 1943 a Destroyer Escort Is Made Optically Invisible]– The Philadelphia Experiment From A-Z(フィラデルフィア実験専門アーカイブ・研究サイト)
[The Philadelphia Experiment by Charles Berlitz and William Moore (full scan)] (1979) – Internet Archive(書籍スキャン)

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