No.45
本編
宇宙人を捕まえた!
とされるこの1枚の写真
「シルバーマン」として世界に広まった
メキシコでエージェントが捕獲
調査の為にドイツに送られた…と語られてきた
しかし実は
西ドイツケルンの写真週刊誌に掲載された記事が元だ
発行は1950年4月1日
「火星人!」との見出し
アメリカの戦闘機がUFOを追跡
ミサイルで撃墜することに成功した
脱出したカプセルからは
戸惑うように動き回る人影
アルミ箔のように光る服を身にまとう宇宙人
捕らえて特別室に移された
陸軍省は「火星人かは定かで無いが近隣惑星から来たことは確かだ」と発表…
だがこれはエイプリルフールの冗談だった
翌週の紙面ではネタバラシと解説をおこなっている
視点
長年議論を呼んできた謎の写真。
実際は発行元が一週間後には「エイプリルフールの冗談でした」と詳細を解説している。
それにもかかわらず写真が全世界に拡散されて宇宙人の写真として紹介されてきた。
補足資料
20世紀中頃に流布した「捕獲された宇宙人」の写真と、それに付随する言説の一例であり、後年「シルバーマン」と呼ばれる像として知られる事例の一つ。特にメキシコでの捕獲やドイツへの移送といった物語が付加され、断片的な情報とともに再流通してきた経緯がある。
発端とされるのは、1950年4月1日に西ドイツ・ケルンで発行された写真週刊誌 Neue Illustrierte に掲載された記事「Der Mars-Mensch」である。当該号では「火星人」とする見出しのもと、アメリカ軍戦闘機が未確認飛行物体を追跡し、ミサイルで撃墜したとする筋書きが提示されている。さらに、脱出カプセルから現れた存在がアルミニウム様の光沢を持つ服を着用していたこと、拘束され特別施設に移送されたこと、陸軍省が「近隣惑星由来の存在の可能性」に言及したとする記述が掲載された。
これらの内容は、当時の紙面構成や文体を踏襲しつつも、発行日がエイプリルフールに該当することから、意図的な虚構記事として制作された。翌週号においては、当該記事が企画的な冗談であった旨と、その制作意図に関する説明が掲載された。
しかし、その後この紙面に掲載された写真の一部が切り離され、文脈を伴わない形で再利用された。とくに銀色の服を着た人型の存在を写した画像は、「実在する宇宙人の証拠写真」とする形で各国に拡散し、地域や媒体ごとに異なる説明が付加されていった。メキシコにおける捕獲、欧州での研究機関への移送、政府機関による秘匿といった要素は、その過程で後付けされた設定とされる場合がある。
1950年代は未確認飛行物体に関する報道や目撃談が増加した時期とされ、同時に大衆雑誌や新聞においてもそれらを題材とした記事や創作が多数掲載されていた。こうした背景の中で、事実報道と娯楽的脚色の境界が曖昧な事例が複数存在したことが指摘されている。
この事例は、単一の画像や断片的資料が文脈を失った状態で流通し、後年に異なる物語体系へ組み込まれていく過程を示す例として言及されることがある。また、エイプリルフール記事という出自を持つ情報が、再編集や再解釈を経て独立した「事例」として扱われるようになる構造の一端ともされている。
断片(リンク)
・[Koi Alien Photo 01 – The Silverman]– Isaac Koi(1950年Neue Illustrierte誌「Der Mars-Mensch」記事の詳細なタイムライン、翌週のネタばらし、モデルがスケート集団Lidstonesであることなど一次資料的な調査をまとめたページ)
・[The Little Green Man That Refused To Die] (2020) – Chasing UFOs Blog(1950年Silverman写真の歴史的変遷を詳述)
・[Extraterrestrial Silverman (April Fool, 1950)] – Hoaxes.org(エイプリルフール専門アーカイブ)


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